アニメーション

アニメーション制作7つのステップ

こんにちは!今回は、一般的なアニメーション制作プロセスについて紹介したいと思います。(主に2Dでのアニメーションを想定しています)
モーショングラフィックス・アニメーション制作の流れがイマイチよくわからないという方や、映像を作りたいけどどこから始めたらいいんだろう、とギモンに思っている方などに参考にしていただければと思います!
基本的には7つのステップで行っていきます。映像制作初心者の方もこれにしたがって制作を進めれば間違いないです◎
また、企業でアニメーションを発注したい方にも、映像制作を進めていく流れを理解していただけると進行がスムーズにいきますので、ぜひ一読ください。

ステップ1:企画

まず初めに、企画のコンセプトを考えます。映像の目的、何を伝えたいのかを明確にし、それに合ったアニメーションの手法を考えます。
キャラクターを使ったストーリー性のあるものか、数字をメインにしたインフォグラフィックか、キャッチコピーを伝えるタイポグラフィーの構成にするのかなど。
クライアントと一緒に考える場合もあれば、チーム内や個人でアイデアを出し合い、クライアントにプレゼンする場合もあります。
この初めの段階で表現の軸となる部分が決まるので、慎重に吟味し、かつ多彩なアイデアを出しておくといいでしょう。後々表現手法が詰まったときの手助けになるかもしれませんし、中途半端に怠るとあとで無駄に時間がかかったり、軸がブレブレの映像になる可能性もあります。

ステップ2:スクリプト(台本)

練った企画をもとに、文字ベースで構成を考えていきます。ナレーションがある場合はセリフも同時に考えます。
どんなメッセージを伝えたいのか?起承転結を考え構成していきます。決まった尺があればそれにおさまるようにナレーションの文字数なども考慮します。

専門性がある情報を伝える場合などは、まずクライアントから十分な資料をもらい、それに対する理解を深めます。場合によってはクライアントから構成をもらうときもありますが、映像ならではの伝え方ができているか、しっかり吟味する必要があるでしょう。

ステップ3:スタイルフレーム・絵コンテ

スクリプトが完成したら、スタイルフレームと絵コンテを作ります。この作業は同時に行うことも多いです。

スタイルフレームとは、最終的なデザインの見本のことで、実際のカットをデザインにおこします。シーンや展開に応じて数カット分作ります。
キャラクターのポーション・表情や全体の色味、スタイルなどを細かく確認し、デザインをfixさせます。ここでクライアントとのフィードバックを何回もやり直し、理想的なデザインに仕上げます。
アニメーションしたあとに変更するのはかなり大変になるので、この段階でしっかり決めておく必要があります。

絵コンテは、スクリプトをもとにラフの絵でカット割りをしていきます。クライアントがわかる程度の鉛筆画などで大丈夫です。
ナレーションと絵がどのくらいのカット数で構成されるのか、全体像がみえてきます。大体の1カットあたりの尺も考えておくといいでしょう。

ステップ4:Vコン(ビデオコンテ)

次は、絵コンテの絵をもとにVコン(ビデオコンテ)を作っていきます。
Vコンは、映像の展開やスピード感、尺を確認するための動くコンテです。ラフの絵を使って、仮ナレーション(ナレーターに発注する前の、デザイナーが録音したナレーション)にあわせて動かします。BGMが重要な場合は、この段階で選曲し、Vコンに反映させると良いでしょう。

タイミングや尺を確認する段階なので細かくは動かしませんが、アニメーション作業のもとになるものなので、しっかりとテンポなどを確認します。

ナレーションもこの段階でFixさせます。アニメーションを作ってから尺を伸ばしたり、大幅なタイミングの修正はとても労力がかかるためです。
場合によっては、本番のナレーターに先に収録してもらった音源を使う場合もあります。

ステップ5:アニメーション

スタイルフレームのOKがでて、全てのカットのデザインを作り終えたら、いよいよアニメーション作業です。
Vコンをもとにタイミングをあわせ、After Effectsなどでキーフレームをうっていきます。

ここが1番時間がかかる作業です。数週間〜数ヶ月かかることも。

ベースとなる動きができたら、エフェクトやテクスチャーを加えていきます。
手法によっては、ストップモーションや手書き、3DCGの場合もあるでしょう。いずれにしてもアニメーション作業は、本当に時間と手間と根気が必要です。

クライアントに確認してもらい、OKがでるまで何度も修正を繰り返します。

ステップ6:オーディオミックス

映像の最終的なOKがでたら、音効作業です。
大体の場合は、プロの音効会社に依頼し、BGMやSEをミックスしてもらいます。
ナレーターにナレーションを依頼する場合、収録音源をもらうか、MAに同行して、ナレーション収録に立ち会う場合もあります。
BGMや効果音は作品の出来栄えに非常に重要な部分です。いかに映像とマッチするか、細かく調整する必要があり、音効も大変根気のいる作業だといえます。

ステップ7:書き出し・納品

いただいた音源を映像に入れこみ、細かいミスがないかチェックしたら、movやmp4に書き出します。無事クライアントからOKがでたら、完了です!
数週間〜数ヶ月かかるこのプロセスがやっと終わり、なんともいえない達成感があります。

まとめ

アニメーション制作7つのステップをおさらいすると、

  1. 企画
  2. スクリプト
  3. スタイルフレーム・絵コンテ
  4. Vコン
  5. アニメーション
  6. オーディオミックス
  7. 書き出し・納品

という流れになります。
映像尺にもよりますが、クライアントフィードバック含め2、3ヶ月はかかるプロジェクトが多いのではないでしょうか。

このように、常に目的にあった表現を考え、オリジナリティのある作品を生み出す努力をしているわけですから、良いアニメーションを作るということは、本当に時間と手間がかかります。
逆に言えば、短い期間で大量生産できる映像はクリエイティビティがないとも言えます。
ぜひ映像を発注する方は、時間と予算をモーションデザイナーにください。

アニメーション初心者の方は、ぜひこのプロセスを参考にして制作を進めてみてください。アニメーション作業の前のプロセスが非常に重要だったりします。めんどうくさがらずに、ひとつひとつこなしていくことが、アニメーションという緻密な作業の出来栄えにつながってくるわけです。

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